
今日で休職に入って5日目。カレンダーは7月4日、土曜日になった。
苦手なバリウムと格闘した、休職中の人間ドック
今日は以前から予定していた健康診断、「人間ドック」に行ってきた。朝の9時から11時頃まで、病院でみっちりと検査を受けることになった。心療内科で「心身症」の診断を受けて休職している真っ最中なのに、体の健康診断を受けるというのもなんだか少し皮肉な気もする。しかし、先週のように上司の理不尽な叱責がフラッシュバックして朝起き上がれなくなったり、胃が締め付けられたりするような不調を抱えている今だからこそ、物理的な体の状態を客観的にチェックしておくことは大切なのだろう。
今日の最大の難関は、何と言っても胃のバリウム検査だった。あのドロリとした石膏のような重たい液体を飲み込み、硬い検査台の上で指示されるがままに右へ左へとぐるぐる回らされるのは、何度経験しても決して慣れることがない。他の検査も含めて時間はまーまー掛かり、終わった頃にはどっと疲れが押し寄せてきた。それでも「やらなければならないタスク」を一つ無事に終わらせることができたという小さな達成感が、今のすり減った心には少しだけ嬉しかった。
お昼は妻と、名店「純連」の生ラーメンを
帰宅してからは、お昼ご飯の準備。今日はいつもの袋のインスタントラーメンではなく、ちょっと奮発してスーパーで買っておいた「純連(じゅんれん)」の生ラーメンを作った。休日の土曜日なので、今日は妻も家にいる。二人でキッチンに立ち、熱々のラーメンを一緒にすすった。
濃厚な味噌スープがちぢれ麺にしっかりと絡んで、家で作ったとは思えないほど本格的で美味しい。一昨日の遠刈田温泉の帰りに食べた「中華亭分店」のラーメンも最高だったが、自宅で妻と向かい合って食べるラーメンもまた格別な味わいがある。休職前は、休日の昼間であっても頭の片隅には常に「月曜日からの仕事のプレッシャー」がこびりついていて、食事の味を心から楽しめていなかった気がする。先週、上司から私の人間性すら否定されるような言葉をぶつけられ、絶望の淵にいた時には想像もできなかった穏やかな日常の時間が、今ここにあることを改めて実感した。
妻が飲み会の夜。一人きりの自由な時間をどう過ごすか

さて、今日はこれからどう過ごそうか。実は今夜、妻は職場の飲み会に出かける予定になっている。つまり、私にとっては休職して初めての「完全に一人きりの夜」となるわけだ。
ぽっかりと空いた自由な時間を前にして、少しだけワクワクしている自分がいることに気がついた。数日前は「休日に飽きた」「何もしないことが難しい」と焦燥感に駆られていたのに、今日は「何をして過ごそうか」と前向きに迷えている。これは少しずつ気力が回復してきている証拠かもしれない。
選択肢はいくつかある。
一つ目は、積ん読になっていた本をゆっくりと活字を追って読むこと。
二つ目は、ゲームをして遊ぶこと(とはいえ、据え置き機はないのでスマホのゲームだけだけれど)。
三つ目は、昨日や一昨日のようにジムに行って、無心で体を動かして汗を流すこと。
四つ目は、今後のキャリアや自分のために、何か新しい勉強を始めてみること。
そして五つ目は、7月29日の休職期間明け直後に控えている一番の楽しみ、「バンコク旅行」の計画やスケジュールをじっくりと見直し、思いを馳せること。
どれを選んでも誰にも文句は言われない。あれこれと迷うこの時間自体が、時間に追われ続けていた私にとっては、たまらなく贅沢なものに感じられる。
迫り来る下剤の恐怖と、ゆっくり進む療養の日々
……と、一人きりの優雅な夜の計画をあれこれと立てていたのも束の間。ここに来て、人間ドックの最後に飲まされた「下剤」が猛烈な勢いで効果を発揮し始めてしまった。
お腹の奥がギュルギュルと不穏な音を立て始め、さっきから何度もトイレと部屋を往復する羽目になっている。「これ、一体あと何回トイレに行けばいいんだ……?」
体の中のバリウムを早く出してしまわなければいけないのは頭では分かっているが、せっかくの自由な夜の計画が、トイレの個室の中で何度も中断されてしまうのは少し悲しい。本を読むにしても、バンコクのガイドブックを広げるにしても、とりあえずは今のこのお腹の波が落ち着いてくれないことには何も手につかない。
でも、トイレの中でふと思った。こんな風に「バリウムの下剤が辛い」なんていう、ある意味で平和で物理的な悩みに翻弄されているのも、今の私にとっては悪くないことなのかもしれない。先週までのように、上司の冷たい視線や理不尽なトラブルのせいで、ストレスで胃がキリキリと締め付けられるように痛んでいたのとは、全く種類の違う腹痛だ。痛みの原因がはっきりしていて、時間が経てば確実に治る痛み。そう考えると、この下剤との戦いすらも少しだけ愛嬌のあるものに思えてくる。
休職5日目。今夜はトイレを行き来しながら、焦らず自分のペースで、この静かな一人の夜をゆっくりと過ごそうと思う。少しずつ、心が日常の些細な出来事に反応し、楽しめるようになってきている。7月29日のゴールに向けて、今日もまた一歩、確かな足跡を残せた気がする。
